子育てしていると、悩みは尽きないと思います。
僕も、赤ちゃん期、幼児期特有のイヤイヤや、自我がしっかりしてくる頃と経験してきました。その時、その時で、悩みは変わっていきます。
また、小学、中学、高校と学生になれば、成績の事や友人関係。そして、子どもには思春期特有の感情も入ってきて厄介になったり。
僕自身も大きな問題にぶち当たりました。
子どもが嘘をついたり、成績の問題、子ども自身の自尊感情が低い事、など様々な問題が出てきたので、色んな子育て本を見て、まず実践したのが、「褒める」こと。
初めは、良い兆しが見えるけど、結局、根本の原因を解決したわけじゃ無いから、悪い所が前面に出てきたら、つい叱ってしまい元に戻ってしまう。
そんな事から、藁をもすがる思いで、この岡本茂樹さん著「反省させると犯罪者になります」と宮口幸治さん著「ケーキを切れない非行少年たち」を読んでみた。
まず、二冊の本の言いたい事を簡単にまとめてみると下記の様な感じです。
「反省させる」無意味さ
岡本茂樹さんが主張したいことは、一言で表すと、タイトル通りの「反省させると犯罪者になります」という事。
僕自身も、そんな”バカ”なって感じながら読んでみたけど、読むにつれて納得させられる内容でした。
内容的には、岡本さん自身が、刑務所の外部支援者として、受刑者と接してきて、なぜ、「ごめんなさい」と反省の言葉を口にするのに反省するどころか、再び犯罪を犯してしまうのかを疑問に思い。受刑者とのセッションなどを繰り返して気がついたのは、反省させるという事は、「自分自身を抑圧する事」という新たな問題が見えてきた。
要は、自分の為に謝罪の言葉を口にしているだけだったという。
もう少し詳しく書いた記事です↓
気付かれない子ども達
著者の主張を簡単にまとめてみると
「世の中には、気づかれない知的障碍者が居る。」
だけど、気づかれない程度だから、一般の人と同じ様に扱われ、その結果「出来ないヤツ」認定をされてしまう。
出来ないヤツ認定されると、リストラに合ったり、職場で問題を起こしたりとなってしまい、その悪循環が嫌で、人の輪から外れていき、非行や引きこもりに走ってしまう。
もう少し詳しく書いた記事です↓
反省出来るだけでもすごいんです!
このどちらの本でも感じたのが、反省出来るだけも立派という事。
反省するという事を、もう一度考えてみる
心からの反省を箇条書きで表すと下記の様になります。
- 自分のした事を色んな目線で見れる。
- 色んな目線で見た事を正確に理解する。(感情を入れずに)
- やられた側の気持ちを考える。
- 考えた気持ちを自分に当てはめてみる。(自分事として見ることが出来る)
これらが出来るという事は、しっかり物を考える事が出来て、状況把握ができ、尚且つ周りの感情を察して理解出来るという事になります。
でも、しっかり物を考える事が出来て、状況の把握、人の感情を察する事が出来れば、そもそも事件を起こす前に行動にブレーキをかけれ事が出来ると思います。
だからこそ、この本の二冊の本は、反省出来る事は凄い事と訴えるのです。
子育てあるあるとの共通点
学校で問題を起こす子といえば、
- 感情をコントロールできず、怒ったり叫んだりする。
- 嘘をつく。
- 人のせいにする。
- 人の物を傷つけたりしても、反省の色が無かったから。
- 宿題や、必要な物を忘れる。
- コミュニケーションが苦手。
- 集中できない。
- 勉強しようとしない。
- 苦手を克服しようとしない。
- 自信がない。
- 注意、アドバイスを聞けない。
- 臨機応変に行動できない。
こんな感じの項目が上がってくると思います。
また、うちの子に当てはまる項目でもあり、非行に走ってしまう少年少女の特徴として、この本に書かれている事でもあります。
驚かれる人もいると思いますが意外なほど、当たり前に子どもがやっている行動なのです。
僕自身も、うちの子にこの項目が当てはまっている事を知り、とても危機感を覚えました。
褒める以外の方法
育児本を見ると、結構「褒める」という言葉が出てきますよね。
この本でも、「褒めて伸ばすに頼りすぎてはいないか?」という主張が出てきます。
僕も、「褒めて伸ばす」やり方を何度か実践してみましたが、結局、根本原因が直って無いので、同じところで、つまづいてます。
褒めるのは、きっかけ
だから、考え方を変えて褒めるのはきっかけで、コミュニケーションが取れる様に関係を構築したり、苦手としている事を伸ばそうとする事ができる様になる為の導入部に使う方法です。
子どもに親の言葉を届かせる為には信頼関係が必要になってきます。
自分が子どもの頃を思い起こすと、親にガミガミ言われると反発しかしなかった様に思います。もちろん、誰もが当てはまる訳では無いと思いますが、今子どもが反発しているのなら、関係性が壊れているからかもしれません。
だからこそ、心からの称賛して心と心を繋いでから、さりげなく「○○を直そう」と伝えた方がお互いの為になる時もあるんです。
また、自分の苦手な事を克服できた時の方が、自信がある事を褒められるより、自信に直結すると思うんです。
僕自身も、苦手な事を一つずつ無くせた時の方が、喜びも多く自信にも繋がった様に感じました。
道はたくさんある。
上記の内容を基に考察していくと、まずはその子をしっかり見てあげる事が必要になってきます。
親の言葉を素直に受け入れる事ができる子。反発する子。何も反応しない子。そんな風に色んなタイプの子が居て、ネガティブな人が沢山の小さな成功を経験しポジティブになっていったみたいなパターンもあれば、ポジティブな人が、沢山の失敗を経験しネガティブな人になっていったパターンもあると思うので、その子がどんな精神状態でどんな事を思考しているかよって、周りからの支援やモチベーションを保つ方法が変わっていくのではないかと思います。
また、最近、「今日から俺は」や「東京リベンジャーズ」などのいわゆるヤンキーを主人公に置いた不良の物語がカッコ良く描かれ、不良って”カッコイイ”、”耐える”事、”強い”事がカッコイイ、そんな風に思う人もいるのではないかと思います。だけど、実際は、人を殴るという事は、そんなにカッコ良くないよという事実も知ってく必要があるのかなと思います。
根気の勝負
実際、理解が少ない子どもに何かを教えていくのは、大変な労力と根気が必要になってくると思います。
でも、だからと言って思いつめないでください。余裕が無いと、いつも流せる様な事でも感情的になってしまったりします。
「生きているだけで」そんな風に思いながら子育てをしていく方が、案外イライラは無くせると思います。
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