八風吹不動(はっぷうふけどもどうぜず)
「八風 吹けども 動ぜず」と読みます。
八風吹不動とは、何も「強靭な心を作れ。」という訳ではありません。
強い逆風にさらされたとしても、成功して追い風が吹いたとしても、だるまさんの様に自分を見失わず、驕ったり、内に引きこもったり、楽な方に流れたりせず、どんな風にさらされたとしても、『受け流し今まで通りの自分に戻りなさい。』といった禅語です。
禅では、八種類の風があると考えられています。
四つの良い風
- 利(成功や利益などのこと)
- 誉(褒められること)
- 称(称えられること)
- 楽(楽しいことや楽なこと)
四つの悪い風
- 衰(衰えること)
- 毀(そしられること)
- 譏(中傷されること)
- 苦(苦しいこと)
八風吹不動とは
人生には色んな風が吹くからその風を楽しめば良いと思う。だけど、その風に執着するなということ。心地よい成功の風が吹いても、少し楽しんだ後には自分を律する事を忘れずに、苦しい逆風が吹いたとしても、苦しいけれど次に進めるようにいつもの自分に戻れるようにする。そうやって、どんな風がきても囚われる(執着)のではなく、だるまさんの様に何事もなかったかのように元の自分に戻りなさいという事です。
ここでの風は、人間の欲(煩悩)を表しています。
”そうなりたい欲”と”そうなりたくない欲”
どちらも誰もが大なり小なり持っている欲(煩悩)だと思います。
またこの禅語には、続きがあります。
八風吹不動 天辺月
八風吹けども動ぜず 天辺(てんぺん)の月と読みます。
この禅語の意味は、月が目的や目標だったり、ぶれない自分を表しています。どんな風(煩悩)に晒されようと、ただ真っ直ぐに突き進み自分を見失うなという禅語です。
もし、今の場所が分からなくなったら、立ち止まって周りを見たらいい。そうやって自分を見失わない事。あなたが決めた目的や目標は、あなたが見失わない限りどこかに行かないから。
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